天竜川沿道の珠玉の林間コース

快晴に恵まれた先週土曜日、天竜川沿いで気になっていた静岡県道295号横山熊線を辿って来ました。

4時過ぎに起床、東海道線始発に乗り豊橋駅で乗り換えるときにホームの反対側に珍しい車両が入線してきました。団体専用列車で運用される特急型寝台電車「583系」という車両だそうです。10分ぐらいで名古屋方面に出発して行きましたが、その間に気が付いた鉄道好きが走ってきて写真を撮っていました。
583系は2017年4月8日に奥羽線秋田―弘前間でラストランを迎え、多くの鉄道ファンに惜しまれながら引退となりました。


豊橋駅から2つ目の新所原から天浜線こと天竜浜名湖鉄道に乗り継ぎました。



名古屋から普通列車に乗る場合、青空フリーパスを利用すると新所原の一つ手前の二川までと復路に乗る飯田線豊橋−飯田区間が¥2,570で乗り放題になるのでお得です。天浜線新所原から二俣本町までは¥1,000でした。



4時起きだったので気動車でゴトゴトと揺られ睡魔に身を任せているうちに、あっという間に二俣本町に到着。



国道152号から天竜川対岸の県道360号へ 途中で地名が“月”というところを通ったりします。



国道が川を挟んで並行しているので、わざわざ道の狭い県道を通る車はほとんどいないため、自転車乗りには快適な道路です。



天竜川が大きく蛇行する横山地区に到着、たくさんの実を付けた見事なカリンの木を見つけました。



右折すると昨年11月に両腕骨折事件のあった山住神社に向かう道になります。その時に反対側に雰囲気のよい道があったので、再訪したいと思っていたコースです。



天竜川支流の横山川を渡って左折して静岡県道295号横山熊線に入り、前方の山並みに向かって走ってゆくと・・・ 



ユトリ侶というピザ屋さんの小さな看板が目に留まりました。こんな山の中でホントに営業しているのかな、と半信半疑で川沿いの道に入ってみました。



窯に入れた薪を燃やした煙が煙突からモクモクと登っていい香りが漂っています。開店準備中のお店の方に声をかけてみると10時30分から営業とのこと。待つ時間がもったいないので、残念また次回と思いながら坂を登ってしらばくして時計を見るとちょうど10時30分に。思っていたより時間が進んでいました。
そういえば朝食はアンパン1個だったので小腹が空いてきた上に、先ほどの薪の香りで刺激された"ピザ今すぐ何としても食べたい欲求"に抗えなくなり、本能のまま引き返しました。(^^;



ピザとコーヒーを注文してしばし待つと・・・ 引き返して大正解でした。薪で表面がカリカリに焼かれたピザと、深入り珈琲で幸せな時間が過ぎてゆきました。



県道295号は最高地点で600mほどで、ほとんどが緩い登りが続き気持ちよく登ることができました。



ほぼ全域がスギ、ヒノキの人工林は手入れがとても行き届いていて、行儀よく立ち並んだ杉がトウモロコシの粒のように見えました。



これだけの面積できちんと枝打ちと間伐するのはかなり大変なことだと思います。木の香りを大きく吸い込むと力が湧いてきます。



標高500mを超えたところで熊平地区に通じる一本杉隧道があり、ここが一本杉峠となるようです。



間伐材がきれいに並べられていました。



熊平の集落では、お茶畑が広がっていました。



静岡県道9号天竜東栄線に入り、さらに登った大地野隧道が本日の最高地点で620mでした。この後は、山を挟んで再び天竜川に向かってコーナーの続く道を慎重に下ります。



カーブを曲がると突然、大きな木が目に飛び込んできました。何本かの杉がいっしょくたんに固まって天高く伸びている珍しい姿を眺めながら、しばらく休憩。



沢を回り込んだところで、砂場で子供が作ったような形の箒木山が見えました。



突然、古そうな橋梁が出現してビックリしましたが、すぐに飯田線と気が付きました。



一旦、下流側の東栄駅に立ち寄って小休止した後、まだ時間に余裕があるので行けるところまで行こうと県道1号を通って上流側に向かいました。



たくさんの案山子たちが手を振ってくれました。
!(^^)!


浦川駅を過ぎて県道を国道473号に入ると、今朝から何度が見かけていた通行止めの看板が出ていました。自動車は通行可、二輪、人は通行不可という表示。普通は車はだめだけど人なら通れるというパターンなので、この説明はいったい・・????



佐久間駅の手前で原田橋の復旧工事現場に遭遇しました。天竜川を渡る迂回路の先で工事車両の整理をしていた年配の方に聞いてみると、迂回路は相互通行で路面も悪く、自転車が通る間に反対側の車両を長時間を待たせることになるので通行止め、二輪は転倒の危険があるのでこちらもダメとのこと。

週末で通行量は少なく、何だかなあ〜思ったのですが、整理の方に役所で決められちゃったことなんですみません、と深く同情していただきました。
このあたりは中央構造線が通り破砕帯があるため難工事となっている上に、至急で余裕がないので仕方がないですね。
とっても親切な方で、自転車で引き返すのは大変だろうから、地元の軽トラが通った時に頼めば乗せてもらえるかもと提案いただきました。「飯田線に乗って帰れるから大丈夫ですよ」と伝えると、自転車を輪行袋に入れて鉄道に乗せられることを知らなかったそうで、びっくりしつつ安心していただきました。

今年1月の落石に寄る原田橋崩壊で巻き込まれて亡くなられたお二人の職員の方の冥福を祈りながら、引き返しました。



300mほど走って下川合駅に15時に到着。無人の駅のホームで自転車を輪行袋に入れ、15時34分の豊橋行きに乗り帰還しました。

天竜地区は自転車が気持ちよく走れる穴場の林間コースが数多くあるものの、東京方面からだとアクセスに時間がかかり訪れることがなかなか出来ませんが、名古屋に単身赴任したおかげで今日も充実した時間を過ごすことが出来ました。\(^O^)/