25年前の仙台勤務のときにたいへんお世話になった方から遊びに来ませんか、とお誘いを受け5月末に南紀白浜に行ってきました。
熊野古道に近いと聞きインターネット、グーグルマップ、観光ガイドを参考に入念に計画を立て相棒の自転車を輪行袋に入れて羽田空港から南紀白浜空港へ。
南紀白浜空港は5分遅れの8:50着。そのまま空港から9:28発の高速バス「熊野古道号」で熊野古道の取り付きとなるJR南紀田辺駅に10:11着。一週間前の予報では曇り/雨だったけど上々の天気に恵まれました。駅前の弁慶広場で自転車を組み立ていざ熊野古道へ。歴史の入った道標に気持ちが弾みます。
正面左が秋津地区の高尾山606m。右側に目的地の潮見峠540mがあります。
分岐を右に進んで関所跡、水呑峠、潮見峠へ。左の道は長尾坂を経由する派生ルートのようです。
山登りが始まりだんだんと勾配がきつくなります。
初めての南紀でしたが、一番びっくりしたのはあちこちに梅の木がびっしりと植えられていたこと。銚子では空いている土地には隙間なくキャベツが植えられ灯台キャベツとして出荷されていますが、さすが紀州梅の産地。
残念ながら今年は春の低温にヒョウ被害とカメムシの大発生が加わり出荷量激減だそうです。
紀州弁の耕作放棄阻止の看板。私たちで農地を守りましょうという意味です。最初に見た時に「のうち」がひらがなだったので紀州弁の何かと思いました。(笑)
凄まじい急こう配で自転車に乗ったり降りて押したりしながら関所跡に到着。
続いて水呑峠へ。勾配は10%超え区間連発、押していても心拍計を見ると150後半のレッドゾーン。
水呑峠を超えたあたりで展望が開け、遠くに見える田辺湾を見ながら荒くなった息を整えながら休憩。
さらに登って行くと後方でガサガサ、ドサッと大きな音。振り返ると不器用なタヌキが斜面を転がり落ちてきたところ。目が合うと一目散で逃げて行きました。
水呑峠から捻木の杉(ねじきのすぎ)へと続く道。太めのタイヤを履いたツーリング車にはうってつけの道でした。
未舗装区間は道を荒らさないようにすべて押しました。崖が多いので注意が必要。
標高500m地点にある捻木の杉(ねじきのすぎ)に到着。
安珍清姫伝説で逃げる安珍を大蛇に姿を変えて追う清姫が、この杉の木によじ登り、遥か麓を逃げる安珍の姿を見つけて悔しさのあまり枝を捻じ曲げたという伝説の杉です。
捻木の杉から300m進んで潮見峠への分岐に到着。
潮見峠までの約1キロはほぼ登山道。土砂が流れ込んで荒れたところもあったけどきちんと整備された道でした。自転車は道を傷めないよう全区間押し。ゆっくり進んでたっぷり森林浴を満喫しました。
途中、トレッキングをされている同年代の方とすれ違い気持ちよく挨拶をしてもらいました。
14:10 ほぼ予定通りに潮見峠到着。
峠までは未舗装区間が多かったけど、ここから復路の南紀白浜までは舗装路になるので一安心。苔でタイヤを滑らせないように気を付けて下りました。
写真中央にちょっぴり見える国道311号まで一気に下りました。
一旦国道に出た後はわき道へ。写真は富田川に架かる木製の北郡橋。
透き通る水面を見ながら一休み。
17時少し前に白浜温泉のホテルに到着。50㌔ほどの行程は古道の雰囲気がぎゅっと凝縮されて大満足でした。
その後は、先の知り合いが奥さまと一緒に車で迎えに来ていただき久しぶりの再開。地元の同級生がやっているというお好み焼き屋さんに案内していただき、尽きない話に花が咲き夜は更けたのでした。