静岡県道290号に大きな大きなハートマークを

晩秋の爽やかな青空が広がった文化の日静岡県天竜区と長野県飯田市を跨る青崩峠に出かけてきました。飯田線始発の豊橋駅6時発に乗るためには名古屋からは間に合わないため、前夜は豊橋駅前のビジネスホテルに宿泊しました。

10分前に入線した2両編成の車両には20人ほどのお客さんが乗り込みました。途中駅では部活動のために乗り込んで来る高校生で時折賑やかになったりしながら、ガタンゴトンとゆっくり力強く走ってゆきます。



青崩峠へは水窪駅が最寄り駅ですが、静岡県道290号 水窪羽ケ庄佐久間線の二本松峠と北条峠(ホウジ峠)に寄るため5駅手前の中部天竜駅で下車しました。
もう一つ手前の下川合駅中部天竜駅間の原田橋は1月に崩落、工事中のため自転車は通行止め。10月に来た時に確認しておいてよかったです。



豊橋に泊まったので、名古屋から輪行するより1時間少し早く出発できました。日の短いこの時期は、ゆっくりツーリングを楽しむためには惜しくない投資です。まだ朝もやの残る中、国道473号佐久間駅を過ぎて左折、静岡県道290号に入りました。



すぐに飯田線の踏切を横切ります。



静かな杉林を登って行きます。



斜面に寄り添うように家が点在する下平集落です。



振り返ってみると、手入れが行き届いた田畑のある山里の風景が広がりうれしくなります。



散歩中の第一村人発見! 驚かさないようにゆっくり自転車で近づいて「おはようございま〜す」と遠慮がちに声をかけたのですが、かなりびっくりさせてしまいました。
でも、にっこりと挨拶を返してもらい「どこから来たの?」と尋ねていただきました。この質問にうまく答えるのがけっこう大変なのですが、せっかくなので自転車を降りて、自宅は千葉で名古屋に単身赴任していて今朝は豊橋から始発で・・・と説明、散歩ですか?といった会話をして先へと進みました。



突然、右斜面の上方でガサガサと大きな音が。山仕事の人が歩いているのかと思ったら、ゴロゴロと漬物石大の岩が目の前に転がり落ちてきました。(@_@) 
昨日の雨で地盤が緩んでいるようなので注意しなければ、と気を引き締めました。岩は道路の端に寄せてさらに登ります。



実はこの県道290号は35年ほど前にサークルの駒ケ根での夏合宿に合流するため、単独でテントを積んでツーリングしたときに通った道です。そのときに突然激しい雷雨に遭遇、目が眩むぐらい雷が光り周りでドカンドカンと轟音が響いたため、慌てて自転車から離れて頭を抱えてしゃがみこんだのが、この辺りだったような・・・
そんなこともあったので、ぜひ再訪したいと思っていた道です。



旧・電電公社の看板発見。懐かしい〜(^^♪



暖かい日差しが当たり汗ばんできたのでウィンドブレーカーを脱ぐと、ちょっぴり冷んやりした風が最高!



峠の手前でとつぜん視界が開けました。



中央構造線の活動で作られた断層谷だそうです。



大迫力の風景を眺めながら、しばらく時間の流れに身を任せました。



二本杉峠586mを通過



羽ケ庄(はがしょう)地区の集落です。



こちらもきれいに刈り揃えられた小さな茶畑などが箱庭のようにきれいに並んでいます。 



少し下るような感じで進むと北条峠564mに到着しました。
峠にあった説明書きによると、もともとは傍示峠(ホウジ峠)だったそうですが、鎌倉時代に北條氏ゆかりの者がこの峠を越えて落ちのびたことから、当て字で北條峠、と呼ばれるようになったそうです。



峠に民俗文化伝承館という建物があり、中から女性たちのにぎやかな声が聞こえてたので、遠慮がちに木戸を開けて入ってみると「どうぞ上がってくださ〜い」と華やかな声が聞こえてきました。



奥に進むと畳の大広間のコタツで女性5人がおやつとお茶でにぎやかに談笑中。とっても優しい雰囲気が漂っていたので、遠慮なく上がらせてもらいコタツに入ると抜け出せなくなりそうな心地よさ!お茶におやつまで出してもらい、「どこから来たんですか?」で始まりみなさんとしばらく歓談。お話を聞くと周囲の杉林は5人の中のお一人が所有されていて25年前に植林、ここまで大きくなったなんて話も聞かせてもらいました。



「土間にメニューが出ていた蕎麦は頼めますか?」と聞くとここは蕎麦屋ですから、ということで5人の女性たちが、そろそろと炊事場に移動して作ってもらいました。(^^♪ 
蕎麦は地元で栽培、てんぷらも地元で造ったクレソンだそうです。

まだ10時を回ったばかりだったので、お客さんが来る前の女子会の時間だったようです。まるで家にいるような雰囲気に混ぜてもらい、とても幸せな時間を過ごすことができました。



峠から北に広がる山並を眺めて、次の青崩峠に向かうため水窪へと下りました。



途中、女性が家に面した細い道を掃除をされていたのでスピードを落として最徐行、挨拶をすると「風が冷たくて寒くないですか」と声をかけていただきました。
これまた「どちらからか来たんですか?」となり立ち止まり、自転車は健康にいいですよね、などと言っていただいて心がほっこり、わずか15㎞ほどの山里を通る県道ですが、大きな大きなハートマークです。(^^♪

青崩峠は次回の記事に続きます。
思いがかなった青崩峠 - 緑の週末日記