前日は佐野駅から桐生駅まで強烈な向かい風でしたが、朝起きると青空が広がりほぼ無風。降水確率0%で予報通り最高の天気に恵まれました。
細尾峠に向かってホテルを出発すると渡良瀬川の上流の山々がくっきり見えました。
コロナ禍が2年続き久しぶりの峠越えで緊張。貴船神社にお参りして道中安全を祈願しました。
渡良瀬川沿いに日光まで国道122号がありますが、自転車で走るには川を挟んで反対側の渡良瀬川左岸に沿った県道257号のほうが断然楽しいです。
国道は緊急事態宣言解除後の絶好の観光日和で日光へと向かう車が連なり大型バイク集団の爆音に選挙カーの金切り声が加わりたいへんな騒々しさ。それが谷を越えて響いては来るけれど直撃よりはずっと静かです。
こんな感じの緩やかなカーブが続き、気持ちが高ぶります。
登りが続き深く呼吸をすると空気が肺一杯に広がり力が沸いてきます。
大畑花桃街道の看板。
ググっとぐんま観光情報を見たら「約2kmに渡り地元の人たちが30年以上かけて植えた約1,500本のしだれ桃が咲き乱れます。」今度は春に絶対来ようっと。
15年前の2007年11月末に来た時は先ほどの貴船神社の先が落石で通行止めになっていて止むなく引き返して一旦国道側を迂回したのですが、今回もあと2キロほどで水沼の集落というところで通行止め。(>_<)
だいぶ走ってきたのでここで引き返すのはちょっと辛い。国道走りたくないし。 少し迷ったけど、日曜日で工事はお休みだろうし、何となく歩行者は通れますよ的に隙間のあるバリケードだったのでダメもとで進んでみました。
慎重に5分ほど進むと反対側のバリケードが倒れていたのがちょっと気になったけど無事通過。よかった~~。
小さな滝に通称「わ鐡」こと、わたらせ渓谷鐡道の1両編成がタイミングよく通りかかりました。
水沼を抜けて草木ダムに到着。管理事務所に寄って久しぶりにダムカードいただきました。3年前の利根川河口堰以来となる14枚目です。
草木湖に架かる真っ赤な草木橋が目を引きます。
童謡ふるさと館でトイレ休憩&コーヒータイム。
メタセコイヤの実とマツボックリにヤシャブシで作ったいう可愛いフクロウたちが並んでいました。桐生にお住まいの方がご厚意で作られたもので、1つお土産に頂きました。(*^-^*)
近くに廃校を利用したサーカス学校とサーカス資料館があるのですが、その資料館が所有しているサーカスのおもちゃが陳列してありました。ぜんぶ動きます!
沢入と書いてソーリと読む沢入駅。残念ながら自転車天国の県道257号はこの先で国道122号に合流しておしまいになります。
国道に入ると騒音と排ガスの洗礼。特にバイクはまだ昨年からの排ガス規制前のものばかりなので、集団で通過されると登りで酸素不足気味な状態に追い打ちを掛けられ辛い。
少しでも避けようとトンネル脇の旧道に入ってみたら、崖崩れで通れず引き返しました。前回は通れたのですが、月日の経過と共にだんだんと自然に還ってゆくんですね。
足尾駅手前から旧道へ。 まだ現役の古河日光発電所(株)通洞変電所足尾銅山変電所。産業遺産に指定されています。
発電所と高架を挟んで反対側にある旧施設。稼働はしていないようですがいつまでこのまま残っているんでしょうか。
足尾駅近くの集落は空き家が並び閑散としてます。
足字銭と鋳銭座跡のモニュメント。江戸幕府に寛永通宝の鋳造を願い込み1842年から1847年まで2億枚以上を鋳造したそうですが、1文銭は足と印されたことから足尾銭と呼ばれ、お金をお足と呼ぶ語源となったという説があるとのことです。諸説ありというやつですね。
国道脇の少し高台にある旧・神子内(かみこうち)小学校跡。
明治8年に分校として開校、大洪水による校舎流失では校長先生が書類を守ろうと殉職されているそうです。その後移転し昭和44年には生徒数76名となったものの最後は昭和59年3月に児童4名で閉校式を迎えてます。卒業生徒数は580名だそうです。最後の生徒さんは今は45歳前後ぐらいですね。
足尾から10km弱で旧国道122号の分岐に到着。分岐から細尾峠(標高1,197m)まで4km、標高差が300mです。左側の道は現在の122号で少し先に日光に抜ける日足トンネルとなります。
入口にはお約束のクマ注意の看板。足尾の手前に大きな病院があって、山奥の立地で本当に診療しているのかとググってみたら、山でクマに襲われてけがしたときに親切に診てもらえましたという口コミがあり少しビビりました。どうか出会いませんように。
見上げると幾重にも重なるつづら折りの道。一つ曲がるごとに20メートル前後登ってゆきます。
はーは―言いながら心拍計見たら169まで上がってました。還暦過ぎの心臓には限界です。
今回旧道で遭遇したのは車は2台にバイク1台、自転車ゼロでほぼ一人旅。もし倒れても誰にも見つけてもらえず夜には凍死確実なので、心拍数下がるまで小休止。
登ってきた道を見下ろしながら休憩。
国道122号の日足トンネルの真上付近。
もう少し紅葉しているかなと期待していたのですが少し早かったようです。
峠まであとちょっとですが無理せず休憩。(^^;
16時前に細尾峠に到着しました。
細尾峠は古くは日光山僧徒の修行の道として開かれ、明治になり銅山の発見で道が拡張され輸送路として賑わったものの、足尾鉄道の開通で輸送量は大きく減少、その後昭和11年に自動車道として拡張され昭和38年に国道の指定を受け大幹線となったものの、今度は昭和53年に日光と足尾を結ぶ日足トンネルの開通で旧国道に格下げ、波乱万丈の峠人生ですが今はこうして静寂な峠として佇んでいます。
東武日光駅まで15kmほど、ゆっくりしていると日没になるので写真を撮ってから慎重につづら折りの道を下りましたが寒かったあ~。
何とか日没ぎりぎりで到着。手がかじかんで少し時間がかかりましたが自転車を輪行袋に納め、普通電車で乗り継ぐこと4回、kindleで読書しながら3時間近くかけて帰還しました。
この日の走行距離は82km、仙台から転勤で千葉に引っ越してから23年目で総距離5万キロを越えました。ちょっと嬉しい。